仏として生きる
仏教とは、「仏の説いた教え」「仏に成るための教え」「仏として生きるための教え」です。仏になり、仏として生きるには、仏としての決まり事を守らなければいけません。仏として生きていくには「16の約束事」があります。それを「十六条戒」(じゅうろくじょうかい)といいます。
「南無帰依仏」 仏さまを信じ心の支えにします
「南無帰依法」 仏さまの教えを信じ心の支えにします
「南無帰依僧」 教えを大切にする仲間を信じ心の支えにします
「仏」はお釈迦さま、「法」は教え、「僧」は仏の教えを大切にする仲間の事です。この三つを合わせて「仏法僧(ぶっぽうそう)」の「三宝(さんぼう)」といいます。「三宝」は仏教徒が大切にしなければならない三つの宝物のことで、この3つを心の支えとすることが「仏」としての第一歩です。
「摂律儀戒」 悪いことをしない
「摂善法戒」 すすんで善いことをする
「摂衆生戒」 他者を思いやる行動をする
「三聚浄戒」(さんじゅじょうかい)は、字面を見ると難しいですが、とても分かりやすい内容です。「悪いことをしない」「善いことをする」「他人を思いやる」。この三つを常に心に置きながら生きていくことです。なんだか子供の頃に何度も大人から言われてきたような内容ですが、「3歳の童子でもわかるが、80歳の老翁でも実践するのは難しい」と故事にあるように、なかなか出来ないことです。仏教は実践の教えなので、「わかる」だけではなく、まずは「やってみる」ことが大事です。自分の生き方に仏さまの教えを少しでも反映して生きていくことが「仏として生きる」ことにつながるのです。一歩一歩、仏としての歩みをすすめていきましょう。
「不殺生戒」 むやみに生き物の命を奪わない
「不偸盗戒」 他者のものを盗まない
「不貪淫戒」 人の道に外れた愛欲を犯さない
「不妄語戒」 人をだましたり嘘をつかない
「不酤酒戒」 お酒におぼれない
「不説過戒」 他人の過ちを責め立てない
「不自讃毀侘戒」 慢心したり他人をけなしたりしない
「不慳法財戒」 他者に施すことを惜しまない
「不瞋恚戒」 怒りで我を失わない
「不謗三宝戒」 仏・教え・仲間を疑わない
「十重禁戒」(じゅうじゅうきんかい)についてです。これは仏として生きる者が「してはならない10の約束事」です。「禁戒」と書くので、禁止している事、してはならない事ということです。「戒」とは「いましめ」のことですが、これは他者が自分に「〜をしてはいけない」と戒めるものではありません。仏の「いましめ」とは、自らが自らをいましめる、つまり「自ら〜をしないことを誓います」ということです。何度注意されてもついついやってしまう事があります。何度も言われているのにしてしまうということは、その事に対する問題意識が薄いのです。もしくは「自分の問題」としての意識が無いのかもしれません。なので「戒」には「誓う」ことが重要なのです。自分の問題として気付き、それを直していく努力をすることを誓うことが大切です。
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