供養とは正しく生きること

供養とは故人に喜んでもらうこと

 供養とは何か。手を合わせ故人の冥福を祈る・故人のためにお経を唱える・故人の好きな食べ物や飲み物をお供えするなど様々あります。供養はインドの古い言葉で「プージャー」「プージャナー」と言い、元々は「敬意をもって、相手をもてなすこと」「尊敬」という意味があります。なので供養とは、故人を敬う気持ちから手を合わせたり、お供物を捧げる行為になります。つまり、故人を心に思って行うことはすべて供養につながるのです。

 供養には、【利供養(りくよう)・敬供養(きょうくよう)・行供養(ぎょうくよう)】の三つがあります。

【利供養】とは、「物」の供養です。お花やお線香、故人が生前好んでいた食べ物や飲み物などをお供えすることです。

【敬供養】とは、「心」の供養です。仏さまを敬い、その教えを学んだり、お経を唱えることです。故人を敬い、お墓参りをしたり、お仏壇の前で手を合わせ、「心」「気持ち」をお供えします。

【行供養】とは、「行い」による供養です。行いとは修行のことです。修行とは「正しく生きること」で、自分の生き方そのものを故人にお供えするのです。仏教における正しい生き方とは、お釈迦さまの言葉や行動を見習うことです。いただいた命に感謝し、今生きていることの有り難さ、自分の命の尊さに気付き、自分の命と同じように他者の命も大切にして生きていく。それがお釈迦さまの説いた生き方であり、そのような生き方をしていることを故人に手を合わせて報告するのです。その様子を見て、故人に安心していただくことが供養につながります。

 
 三つの供養の中では「行供養」が特に大切だと言われます。故人の供養の為に、自分の日々の行いや生き方を見つめ直すことは、見方を変えると、「故人が私たちの生き方を正しい道へ導いてくれている」ということではないでしょうか。直接言葉をかけてくれることはもうありませんが、供養を通して故人は私たちを導き背中を押してくれているのです。その様にして、故人の存在が残された家族の心の支えとなることが、故人にとって一番嬉しいことではないでしょうか。